11月の第3木曜日といえば年に一度のボジョレーヌーボー解禁日!
「解禁日が来ないと飲めない!」という縛りがあると、否が応でも盛り上がってしまいます。
でも他に解禁日があるワインって聞かないですよね。
なぜボジョレーヌーボーだけに解禁日があるのか?他のワインと何が違うの?なぜ日本ではこんなに盛りあがっているの?
そんな疑問を解決すべく、ボジョレーヌーボーの謎に迫ってみたいと思います。
Contents
ボジョレーヌーボーの解禁日はなぜこの日?
まず、ボジョレーヌーボーになぜ解禁日があるのか、どうしてこの日に決まったのか、を見ていきましょう。
ボジョレーヌーボーとは
ボジョレーヌーボーとは、その年に収穫した葡萄を使った、フランスのブルゴーニュ地方・ボジョレー地区で作られるワインの事。
フランスはワインに関する規制が厳しく、ボジョレー地区以外で出来たワインをボジョレーヌーボーと呼ぶことを禁止しています。
そしてボジョレーヌーボーの解禁日もフランス政府が定めました。
でも「なぜボジョレーヌーボーにだけ解禁日があるのか?」というと…
その昔、ボジョレーヌーボーは思いのほか人気があり、それに気が付いた製造者が売るための競争を始めます。
競争が激化した結果、まだワインとして完成されていない状態のものまで出荷するようになってしまい品質はどんどん低下しました。
その事からフランス政府が解禁日を定め、この騒動は一件落着。
こうして解禁日までにじっくり作りこむ事が出来るようになったそうです。
解禁日の理由は?
解禁日が11月の第3木曜日という設定については諸説ありますが
- 一番最初の解禁日が11月の第3木曜日だった
- 出荷スケジュールや売れ行きに影響が出ないよう、土日を避けた方が良い
等とちょっと大人の事情が見え隠れする理由から来ているようです。
ちなみに2016年の解禁日は11月7日。午前0時に解禁になります。
ボジョレーヌーボーと普通のワインの違いは何?
ボジョレーヌーボーと普通のワインの違いは「製法」にあります。
ボジョレーヌーボーの製法
ボジョレーヌーボーは葡萄を潰さずに発酵させるマセラシオン・カルボニック醸造法で作られています。葡萄の発酵により出てくる炭酸ガスの中に数日置く方法です。
その為フレッシュでフルーティーな軽めの味わいになります。
また、ボジョレーヌーボーはその年の葡萄の品質の良し悪しを確認する為に作られます。なので早くワインにしてしまう必要があるのです。
普通のワインの製法
普通のワインは葡萄の果汁を発酵させて作ります。そして1~3年は樽に入れてじっくり熟成させるのです。
それ故深く豊かな味わいになるんですね。
ボジョレーヌーボーの良さは、何と言っても癖のない、フレッシュでフルーティーな味わいではないでしょうか。
この口当たりの軽さが苦手な方もいるみたいですが…それでもワイン初心者でも飲みやすく、ワインの渋味が苦手な人でも美味しく飲めるのがボジョレーヌーボーの魅力なんです。
美味しい飲み方は?>>ボジョレーヌーボー合うにチーズとおつまみレシピ。料理に使うコツ
ボジョレーヌーボーが日本で有名な理由は?
日本ではちょっとしたお祭り騒ぎになるボジョレーヌーボーの解禁日ですが、本場フランスでは日本ほど騒がれてはいません。
スーパーマーケットや酒屋には陳列されますが、日本のような盛りあがりは見せないようです。
実はこの解禁日、時差の関係から日本が世界一早く解禁になります。
おまけに日本人は「初物」が大好きです。日本では初物は福が訪れる縁起物とされていて、昔から好まれています。
最も早く収穫された葡萄で作られたボジョレーヌーボーもそんな日本人の心をくすぐる物なのではないでしょうか。
つまり日本で人気の理由は「世界一早く」「縁起が良い初物」という2点。
毎年発表される「過去最高」や「100年に一度の出来栄え」などの盛大なキャッチコピーに煽られて「ボジョレーヌーボーは美味しい」と印象付けられている気がします。
実は海外ではそれほど人気は無いようですね。
まとめ
解禁日を楽しみにしている根強いファンが多く、待ちに待っている、そんなボジョレーヌーボーファンと一緒にお祭り状態を楽しむのも一興です。
お酒は楽しく飲むのが一番美味しいのです。一人でも大勢でも、解禁日を祝して乾杯するのは楽しいお酒を飲む良いスパイスになるのではないでしょうか。