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天然酵母とドライイーストの違い。味や食感、使い方は?

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大好きなパンを自分で作る楽しみ、ありますよねー。
となると、美味しいと評判の天然酵母も気になるところ。

でも難しそうだし、どうやったらいいのか分からない、、、
そもそもドライイーストと何が違うの?味は?使い方は?

そこで、天然酵母とドライイーストの違いやメリットデメリット、仕上がりの味の違いなどを詳しくまとめました。


Contents

天然酵母とドライイーストの違いは?

天然酵母とドライイーストの違い、の前に、酵母、イーストって何なんでしょうか。

酵母とは イーストとは

酵母(こうぼ)とは微生物の一種、分かりやすく言えば「菌」です。
もちろん食べても大丈夫な菌で、顕微鏡でしか見えないほどの小さな生物です。

酵母は、食物をエサにして分裂し、食品の発酵を促します。
そのスピードは、酵母の分量、生命力、エサの種類、気温など環境によって違ってきます。
パンをレシピ通り作っても、時間通り発酵しなかったり、そもそもレシピに発酵時間が記載されてないことがあるのも、そのせいですね。

パンの生地が発酵して大きく膨らんでくるのは、「生き物」だと思って扱うと良いです。

イースト(yeast)とは、酵母の英語ですね。
パン作りにおいては、酵母もイーストも、同じものを指します。

(稀に、「天然酵母」に対して「ドライイースト」のことを『イースト』と記載している記事を見掛けますが、イーストとは【酵母】の総称ですのでお間違いなく。)

天然酵母とは

天然酵母(てんねんこうぼ)とは、その菌が自然界で作られたものを指します。
自家製でも簡単に作ることができます。
(フルーツなど糖分の多いものを水に浸しておくだけで泡が出て酵母液ができます!)

バナナから作った酵母液。泡がシュワシュワ言ってます。

この液をそのまま使う方法(ストレート法)と、これに強力粉を入れて生地を発酵させてからパンを作る方法(中種法)があります。

酵母が元気に育つまで場合に寄っては1週間ほど掛かるので、まさに生き物を飼っている気になりますよ。

そしてやっと酵母の準備ができたらパン作りができるわけですが、生地を捏ねて一次発酵~ベンチタイム~2次発酵~焼成まで、暑い夏場でも半日は掛かる覚悟が必要です。
冬場だともっとですね。(オーブンの発酵機能を使わない場合)

ただ、これも考えようによっては気楽なもので、
例えば朝仕込んで一次発酵の間に出掛けて、夕方に帰ってきて成形したり、
寝る前に捏ねて翌朝まで一次発酵、心配な場合は冷蔵庫で更にゆっくりオーバーナイト発酵ということも可能です。

時間が無いからドライイーストという手もありますが、時間が無い時こそゆっくり天然酵母という考え方もできますね。

天然酵母は自家製でなくても、市販の天然酵母もあります。
ホシノ天然酵母が有名ですね。

粉末状の種をお湯に浸し、24時間ほどかけて生種を作ってからパン生地を作ります。

ドライイーストとは

ドライイーストとは、インスタントドライイーストのことを指すことが多いです。
(ドライ=乾燥という意味では、先ほどのホシノ天然酵母もドライですから。)

インスタントドライイーストとは、粉末状で、インスタントつまり簡単にすぐに使えるイーストのことです。
元々の原料は天然界の酵母ですが、それを人工的に培養した製品で微量ながら乳化剤などの添加物が入っていることもあります。

インスタントというだけあって、材料に直接入れて混ぜて使えますし、天然酵母に比べて発酵時間が短く安定しています。
また、イーストの保存期間も長いです。

ドライイーストは色々なメーカーから販売されていますが、こちらのサフ赤がイースト臭が無いと評判です。

パンの種類によってメーカーを変えてみるのもいいですね。

天然酵母とドライイーストのメリットとデメリット

天然酵母は自然界から作られた酵母、インスタントドライイーストは簡単に早く作れる酵母、と大まかな違いが分かったところで、
それぞれのメリットデメリットをまとめてみましょう。

メリット デメリット
天然酵母 ・添加物が無い
・自家製で作れる
・パンが日持ちする
・発酵に時間が掛かる
・発酵時間が一定でない
・酵母の管理に手間が掛かる
ドライイースト ・発酵が早い
・発酵時間がある程度よめる
・イーストの保存期間が長い
・初心者でも失敗しにくい
・添加物が入っている
・発酵が早いのでうっかりしてると過発酵になりやすい

天然酵母はマメに(できれば毎日)かき混ぜたりエサを足したりと酵母の管理をしないといけないので、あまりパンを作らない人には重荷ですね。
私も使っていますが、酵母に追われてプレッシャーになることはあります。
また、雑菌が入って酵母が死滅したり、思うように膨らまなかったりと、慣れるまで感覚がつかめないかも知れません。

その点ドライイーストは、冷蔵庫で保存できますし、何か手を加える必要もありません。
思い付いたその日にパン作りに取り掛かれるので、天然酵母と比べるとかなりお手軽です。

生イーストとは

余談ですが、パン用酵母には「生イースト」というものもあります。
呼び名の通り、イーストそのままの状態で、粘土のような塊で売られています。

主に業務用、パン屋さん向けに作られているので発酵力が強力かつ安定していて、ふんわり膨らむものが多いようです。
保存期間も冷蔵で1~2週間程度と短いので、よほど大量のパンを作らない限り家庭では使い切れません。

(使う分量は、インスタントドライイーストの重さ×2.5(ドライイースト4g使用のレシピだと生イーストの場合10g)ほどなので、生イースト500gパックだとザッと計算して家庭用オーブンで焼ける量の約50回分ですね。)

こちらは100gの小パック。通常のスーパーなどではまず置いてないでしょう。

天然酵母とドライイーストの味の違い

では、天然酵母とドライイーストで作ったパン、味に違いがあるのでしょうか。

はい。違います。
これは、パンの作り方や酵母の種類、工程にも寄りますが、天然酵母で作ったパンは多少の酸味があります。
また、日が経つにつれ、酸味が増すこともあります。酵母が生きているからですね。

天然酵母の場合は、特にストレート法(中種を起こさず酵母液からパンを作った場合)に、その酵母の元になった素材の香りが出ることもあります。
例えば、バナナで起こした酵母ならバナナの香りが、レーズンで起こした酵母ならほんのりレーズンの香りがするということです。

また、もっちりどっしりと食べ応えのあるパンに仕上がるので、腹持ちが良いです。

反対に、ドライイーストで作ったパンは、生地が軽やかで、ふわふわです。
酸味はありません。

私は、ドライイーストで作ったパンの方が、芳ばしい香りがするように思います。
それこそがドライイーストの香りなのかも知れませんが、天然酵母では出ない香りです。

どちらが美味しい、どちらが不味いということはなく、作り方や好みもあるでしょうし、パンの種類や作る時間に寄って酵母を変えてみるのが良いかと思います。


天然酵母とドライイーストそれぞれの使い方

天然酵母とドライイーストの使い方について書いておきましょう。

天然酵母の使い方

自家製酵母の天然酵母は、まず酵母液を作って、それをそのまま使う「ストレート法」と、
酵母液に強力粉を混ぜて発酵させたもの(中種)を、材料に少し混ぜてパンを作る「中種法」というのがあります。

ストレート法はパンの材料の水分(水や牛乳などの液体)の一部として、パン生地に入れます。
中種法は、水分と強力粉の一部として、パン生地に入れます。

基本的に、ストレート法の方が中種法よりグンと時間が掛かります。
この分量は、酵母の勢いやパンの種類、好みに寄って変わってくるので、自分のレシピで作る場合はある程度の経験や勘が必要かなと思います。

ホームベーカリーに入れるときも、他の材料と同じように中に入れてセットします。
天然酵母モードにすることをお忘れなく。

※市販の天然酵母を使う場合は、そのメーカーの説明書やレシピを見て準備発酵させて下さい。

ドライイーストの使い方

これは材料と共にレシピ通りの分量を混ぜるだけ。
注意点としては、材料を入れるとき、塩と離して入れること。
塩は酵母の発酵を抑える働きがあるので、先に塩とくっついてしまうと発酵が悪くなる可能性があります。

ホームベーカリーでドライイーストだけ別に入れるのも、そのためですね。
失敗なく発酵させるため。

私は先に水分とお砂糖、ドライイーストを混ぜて、10分ほど置いて予備発酵させてから作るようにしています。
これだと、イーストがちゃんと働くかどうか(ぷくぷく泡立ってきます)見てから生地を作ることができます。

万が一ドライイーストが古いとか、お湯の温度が高いとか、何らかの理由で発酵しなければ、材料も時間も無駄になりますから。

天然酵母とドライイーストの違い。味はや食感、使い方 まとめ

天然酵母とドライイーストの違いから使い方、仕上がりの差までをまとめました。
やはり、パン作り初心者にはインスタントドライイーストが簡単でお手軽すが、自家製酵母を作るのも楽しいですよ。

また、自家製酵母で生き物を扱うようにパン作りをしていけば、ドライイーストを使う時の応用もできて、パン作りの腕も上がるんじゃないでしょうか。
より楽しいパン作りができますように。

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