天気予報で台風が出ると必ずと言って耳にする「中心気圧は~ヘクトパスカル」という一文。
では、このヘクトパスカル(hPa)って一体何なんでしょうか。数字が大きいと台風も大きいのでしょうか?
そこで、風速との関係や予想進路図の見方なども合わせて、分かりやすく簡単にまとめました。
覚えておくと、台風の天気予報がより理解できるようになりますよ!
Contents
台風のヘクトパスカルhPaの意味
ヘクトパスカルとは気圧の単位。気圧とは、大気の圧力ですね。
日本ではもともと「ミリバール(mbar)」という単位が使われていましたが、 国際標準に合わせて「ヘクトパスカル」が使用されるようになりました。
ヘクトパスカルの単位記号はhPaで、ヘクト(h)は100です。つまり、
1hPa = 100Pa(1ヘクトパスカル = 100パスカル)
ということになります。
高気圧と低気圧
気圧の変化は天候に大きく影響します。
天気予報でよく「高気圧に覆われているので、、、」とか「低気圧が発達しています」というのを耳にしませんんか?
台風がおさまった時なんかは「台風○号は和歌山沖で熱帯低気圧に変わりました。」などと言いますよね。
高気圧や低気圧で周囲との気圧の差があれば、そこに風が下りてきたり上がったりします。低気圧のところには周りから空気が集まり上昇気流が発生するので、雲が発生し雨が降りやすくなります。
低気圧で周囲との気圧差が広がれば広がるほど、中心に向かって風が強く流れ込むように集まるので気流が上昇し、雨雲も大きく広がってくるわけです。これが台風ができる仕組みですね。
ちなみに、何ヘクトパスカル以上は高気圧で何ヘクトパスカル以下は低気圧というわけではなく、周囲より気圧が高いか低いかで高気圧/低気圧かになります。
台風の中心気圧はだいたい900hPa台のことが多くその数値が低いほど強い台風のことが多いんですが、例えば同じ930hPaの中心気圧でもその時の周囲の気圧が1000hPaか1030hPaかで気圧差が変わってくるので、ヘクトパスカルだけでは正しく比較できません。
過去最大の台風のhPa
フィリピンで史上最悪の台風と言われた2013年(平成25年)の「ハイエン(Yolanda)」は最低気圧が895hPaを記録しています。
日本でも過去の台風で900ヘクトパスカル以下の気圧が記録されています。
中心気圧と風速の関係
気象庁が発表する台風の勢力は気圧ではなく”風の強さ”と”強風域の大きさ”で決まります。ただ、中心気圧が低ければ低いほど中心付近の風速は強くなるので関係が無いわけではありません。
台風は中心に向かって風が集まるように反時計回り(左回り)に渦巻いていて、風は台風の内側ほど強く、外側ほど弱くなります。
強い台風だと中心部が無風になることがありますが、これが台風の目ですね。
また、「大型で非常に強い台風」「超大型で強い台風」など表現がありますが、あれは適当に表現しているのではなく、それぞれ
- 大型(大きい)/超大型(非常に大きい) = 強風域の半径の大き
- 強い/非常に強い/猛烈な = 最大風速
台風の予想進路図の見方
台風が発生したとき、天気予報で予想進路図を見たことがありますよね。
予想日時が先になると共に予報円がどんどん大きくなっているのは、台風がどんどん大きくなるという意味ではなく、「この円の範囲内に進む可能性がありますよ」という予測です。
6時間後より24時間後、48時間後と先であればあるほど予測範囲は広がります。あくまで予報なので、この円内に確実に経路をとるというわけではなく、だいたい7割程度の確率でしょうか。
例えば数時間後に予報円の一番日本海側を通った場合は、その後の予想進路の範囲も大きく変わってくるでしょうし、途中で勢力が弱まって消えることもあり得ます。予報そのものが外れることもありますしね。
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台風ヘクトパスカルの意味と予想進路図の見方 まとめ
実際は台風には等圧線や傾度風など色んな要素があるんですが、今回は分かりやすくまとめてみました。これで台風時のニュースや予報がより詳しく見れるかと思います。